2016年9月30日金曜日

闘いなくして安全なし No.092

https://drive.google.com/file/d/0B6_MNKzi3eCFZEUtUzQ0MkhWVWM/view?usp=sharing


近鉄 事故対応で車掌が飛び降り
合理化・人員削減こそ原因だ!

 9月21日、大阪の近鉄奈良線東花園駅で、電車の運行中止について客から詰め寄られていた車掌が突然、制服の上着などを脱ぎ捨てて線路上に降り、高架から地面に飛び降りて腰の骨など折る重症を負いました。

車掌「死にたい」と飛び降りる

 この日、人身事故の影響で一時運転見合わせになり約3万人に影響が出ました。車掌が乗務していた電車は東花園駅で運行を取りやめになりました。ホーム上の客は約1千人、対応した駅員や乗務員は10人ほどでした。
 当該の車掌はホーム上で複数の乗客に詰め寄られ、苦情を言われていました。
 その中で、「死にたい」などと言いながら飛び降りる事態になったのです。
 ここまで車掌が追いつめらる事態になった最大の原因は合理化と人員削減です。

人員削減で事故時の対応不能に

 かつてはホームに終日駅員が立っていて、列車の出発合図や乗客の案内などをしていました。それが合理化の結果、どこでも朝のラッシュ時以外、ホームは無人という駅が少なくありません。
 運転再開見込みや迂回ルートの案内、振替輸送の手続き、指令所などとの連絡……
 何かあれば、多岐にわたる対応をわずかな駅員ですべて行う必要があります。対応に追われれば、運行状況を把握することもままならなくなります。
 駅員が対応不能に陥れば、乗務員に問い合わせる乗客も次々に表れます。しかし、乗務員は運行状況を把握することを優先しなくてはなりません。乗客へ十分な対応ができず、罵声を浴びせられるようなこともあります。

乗務員に責任を押し付けるな!

 近鉄は、「車掌が不適切な行動を起こしたことは遺憾」「規定に基づく処分を検討する」と車掌個人の問題にしようとしています。
 しかし本来責任を負うべきなのは、合理化の矛盾を現場労働者に押し付けた会社です。労働者への責任転嫁は絶対に許せません。

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