2017年12月28日木曜日

外注化阻止ニュース 第352号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka352.pdf


交番検査周期がほぼ2倍に
新幹線インシデント
あと3㌢で台車枠が破断

 東海道・山陽新幹線の台車に亀裂が入った問題で、2本の亀裂と発火の痕跡が確認されました。亀裂は側面14㌢と底面16㌢で、あと3㌢で鋼材が破断する恐れがありました。
 まさに首の皮一枚でした。のぞみの最高速度は300㌔、このスピードで脱線すれば、どれほどの惨劇を招いたか。背筋が凍る思いです。
 走行中の異臭と異音を調べるために岡山から乗り込んだJR西日本の保守担当者が「次の駅で列車を止めて調査すべき」とはっきり懸念を示したものの、最終的には新幹線総合指令所に詰めていたJR西日本の指令員が、「走行に問題なし」と判断し、その後も走り続けたことも明らかになりました。

交番検査の周期延伸

 運輸安全委員会は重大インシデントと認定して「突発的に亀裂が生じたとは考えにくい。台車に細かい傷があり、何回か走行するうちに広がったのではないか」との見方を示しています。
 亀裂発生から台車破損に至る深刻な事故の背景には、交番検査の検査周期延伸があります。JR東海や西日本は昨年春から新幹線車両の交番検査の周期延伸を行いました。東日本も今年春から実施しました。
 その内容は、従来は「30日か3万㌔を超えない期間(に検査する)」が交番検査の周期だったものを「45日か6万㌔を超えない期間」(東海)、「6万㌔を超えない期間」(東日本)へとほぼ2倍に変更したのです。
 検査周期の延伸が今回の事態の背景にあることは明らかです。新幹線での検査周期延伸は開業後初めてのことでした。それを可能にした国交省令の規制緩和にも責任があります。

安全を破壊する合理化

 JR東日本の新幹線車両には多くの車種ありますが、東海と西日本はN700系で1車種しかありません。このことは、車両検修をする労働者にとって、多くの知識と技量がなくてもできるという体制になっていることを示します。
 外注化・下請化を容易にできる車両体制になっているのです。東海と西日本特有の効率化・合理化が背景にあるのです。
 検査派出の削減で添乗さえできない状況が画策されています。安全無視とローカル線切り捨てのダイ改による合理化に反対しよう。

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