2020年6月24日水曜日

闘いなくして安全なし No.265



見せかけの感染対策に
乗務員を利用するな!


 千葉運輸区では6月10日以降、予備勤務者の「有志」による消毒作業が行われています。他支社・他区でも折返し列車などで消毒が行われ、報道もされています。
 しかし、対象になるのは日中の列車数本だけです。走行中や乗客がいる中でまともな消毒作業ができるはずがありません。「感染対策」とは到底呼べません。見せかけだけ、乗客に「見せる」ためだけのものです。

予備勤務廃止に利用する狙い

 予備勤務者を使って消毒作業をやらせる背景には、予備勤務を廃止しようという会社の意図があります。「感染対策」をその口実に利用しようとしているのです。
 実際、乗務員勤務制度改悪の過程で、「支社課員等が乗務できるから、乗務員の配置は標準数より少なくていい」と公言しています。
 予備勤務は乗務員の急な病気や怪我、輸送混乱時等に直ちに対応するために必要です。また、コロナ感染症対策を真剣に考えるなら、予備勤務を拡充しなければなりません。
 駅員や乗務員など多くの乗客と接する仕事の場合、発熱している状態で勤務させるわけにいかないはずです。体調管理を徹底すれば、急な欠務で代務が必要なケースも増えます。予備勤務者が消毒行路で外に出ていれば、何かあっても代務につくこともできません。

真剣な感染対策と体制に責任を

 会社は報道で「車両センターで消毒を徹底している」と答えています。しかし、実態は「6日に1度は消毒できる」という状況です。
 清掃職場の今の体制は、消毒作業を徹底できる状況ではありません。清掃職場の労働条件を改善し、感染対策を行えるだけの要員体制の確保にJRは責任を取るべきです。
 本当に必要なのは、見せかけだけの消毒作業に乗務員を利用することではありません。公共交通機関として、会社が責任を持って真剣な感染対策を行うべきです。

「車内消毒」への清掃労働者の声

○危険極まりなく、乗客がいて動いている電車の中でちゃんとした消毒作業ができるはずがない。
○走行中で乗客もいる中で消毒などもってのほか。本当にやれば乗客がいなくても大変な作業だ。消毒や清掃作業をなめている。
○アルコールをスプレーすれば、どう注意しても飛沫は飛ぶ。アレルギーの人もいるのに、それでいいのか。