2020年7月2日木曜日

日刊動労千葉 第8814号

なぜワンマン運転に反対するのか②

脱線・踏切・人身事故発生時の問題点

ワンマン運転拡大絶対反対!


JR東は来春から内房線・外房線・鹿島線でワンマン運転を行うと提案した。さらに24年度以降、房総エリアに中編成ワンマン車両を導入する計画も進められている。他支社の区間でも全面的にワンマン運転拡大が進められようとしている。われわれはワンマン運転拡大に絶対反対だ。

シリーズ第2回は、脱線・踏切・人身事故発生時の問題点について訴える。


ワンマン運転は、鉄道の安全を破壊する。とりわけ、異常時の対応は大きな問題だ。

脱線や踏切事故などの場合、まず運転士が非常ブレーキ・防護無線発報・警笛吹鳴・信号炎管点火・パンタグラフ降下(TE装置で一括して作動)などの列車防護措置を行う。その後、車掌に連絡して状況を説明し、乗客への放送・説明や乗客の状況の確認などは車掌が行う。

人身事故の場合も、運転士は一連の列車防護措置の後に車掌に連絡し、警察への電話連絡や乗客への放送は車掌が行っている。事故状況の確認は基本的に運転士が行うが、場合によっては車掌が行うこともある。再出発時には、車掌が出発指示合図によって運転を開始する。

すべて一人で行えというのか!

だが、ワンマン化されれば、車両の確認などに加えて、これまで車掌が行ってきた対応も運転士一人で行わなければならない。脱線時には車両の転覆の恐れもあり、現行なら運転士は車両の確認を優先して行う。

だが、乗客のけがや病気が深刻で、すぐに救急車を手配する必要がある場合もある。車両の傾きによっては、すぐに乗客を車外に誘導しなければならない場合もある。車掌がいなければ、何を優先して対応するか、運転士一人で瞬時にいくつもの判断を迫られる。

また、人身事故の場合は現場の確認や警察対応、乗客への説明を一人で行わなければならない。さらに、運転再開時も混乱した状態で運転士が一人で状況を判断して出発することになる。

事故時には、どうやっても緊張や混乱が生じる。冷静に、普段と同じ状態で対処できるわけではない。その状況でワンマン運転の負担は、二人で対応できるときとは桁違いに重い。

事故対応を誤れば、被害や事故の拡大を引き起こしかねない。運転士への負担の増加は、間違いなく事故に直結する。

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