2020年7月21日火曜日

闘いなくして安全なし No.269





「人口減少で人材確保が困難」?
真っ赤なウソだ!
なぜワンマン運転に反対するのか③


 JRは、中・長編成のワンマン化・無人運転化や鉄道業務の外注化、地方ローカル線の切り捨てを次々に進めています。「少子化」「人口減少」はその理由に挙げられています。「将来的に要員確 保が困難」「だから、限られた人材を〝人ならではの創造的な仕事〟にシフトする」というのです。

これでは要員確保どころか使い捨て〟

 しかし、本当に要員確保ができなくなると思うなら、鉄道業務の外注化は進められないはずです。JRですら困難なら、賃金・労働条件が格段に低い下請け会社で要員を確保できるはずがありません。外注化で車両検修や保線、電力や信通関係の保守、駅業務などを担う要員を確保できなくなり、鉄道会社として破たんすることになります。
 また、なぜ「ジョブローテーション」を強行するのでしょうか。要員確保を真剣に考えるのなら、運転士・車掌職廃止という暴挙を強行するはずがありません。〝同一担務最長10年〟〝その間に自らのキャリアを形成できない者は配転・出向〟という方針が出るはずがありません。
 要員の確保どころか〝使い捨て〟ようとしているのが今のJRの経営姿勢です。
 
何が「人ならではの創造的仕事」だ!

 「人ならではの創造的仕事にシフトする」という言い方はあまりにふざけています。鉄道の運行と安全を守ってきたのは現場労働者です。それを 幹部連中がおとしめるなど絶対に許せません。
 しかも、そのほとんどは機械化等で無くならない仕事です。苛酷な条件で鉄道を動かす仕事を全 部無人化など絶対にできません。結局、攻撃の本質は労働者を徹底して低賃金化することです。そのために、「人ならでは」などとキレイ事を掲げて、〝外注化・非正規職化〟しようという攻撃です。

目先の利益追求は鉄道破綻もたらす

 ワンマン化も利益とコスト削減のためだけの施策です。車掌を削減し、運転士の地位を低下させ、安全と地域の生活をないがしろにするものです。
 しかし、目先の利益だけを追求する政策は鉄道を破たんさせます。地方都市の民営化されたバス路線では、低い労働条件で運転士を集めらず撤退が相次いでいます。自治体側もバス運行の力を失い、住民の移動手段がなくなることが社会問題になっています。鉄道でも起こることは同じです。
 労働者の権利を徹底して奪う施策は安全を崩壊させます。技術がいかに発展しても、安全の最後の砦は現場で働く人間だからです。鉄道は公共交通機関です。金儲けの道具にさせてはなりません。

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