2020年7月8日水曜日

闘いなくして安全なし No.267




なぜワンマン運転に反対するのか②
脱線・踏切・人身事故発生時の問題


 ワンマン運転は運転士にすべての責任を負わせて激しい労働強化をもたらし、鉄道の安全を破壊する攻撃です。異常時の対応は大きな問題です。
 脱線や踏切事故などの場合、まず運転士が列車防護措置を行い、車掌に連絡して状況を説明します。車内放送や乗客の状況確認等は車掌が行います。
 人身事故の場合も、運転士は一連の列車防護措置の後に車掌に連絡し、警察への電話連絡や乗客への放送は車掌が行っています。事故状況の確認も、場合によっては車掌が行うこともあります。再出発時には、車掌の出発指示合図によって運転を再開します。

すべて一人で行えというのか!

 車掌がいなければ、すべての対応を運転士一人で行うことになります。何を優先して対応するか、運転士一人で瞬時にいくつもの判断を迫られます。
 脱線時には車両の転覆の恐れもあり、現行なら運転士は車両の確認を優先して行います。しかし、乗客のけがや病気が深刻で、すぐに救急車を手配する必要がある場合もあります。車両の傾きによっては、すぐに乗客を車外に誘導しなければなりません。
 人身事故の場合は現場の確認や警察対応、乗客への説明を一人で行わなければなりません。運転再開時も混乱した状態で運転士が一人で状況を判断して出発することになります。
 事故時には、どうやっても緊張や混乱が生じます。その状況でのワンマン運転の負担は、二人で対応できるときとは桁違いに重くなります。
 事故対応を誤れば、被害や事故の拡大を引き起こしかねません。運転士への負担の増加は、間違いなく事故に直結する重大な問題です。

ニュースへのリンク