2015年2月19日木曜日

外注化阻止ニュース 第161号

http://www.geocities.jp/siensurukai_santama/index.html#%E5%A4%96%E6%B3%A8%E5%8C%96%E9%98%BB%E6%AD%A2%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9


労働条件と安全を破壊
原発における重層構造の実態
なぜ外注化に反対するのか

 原発作業員の劣悪な労働条件は、重層構造となっている外注化が大きな原因です。

原発における外注化の実態

 原発では、運転やメンテナンス業務のほとんどが外部企業に発注され、電力会社の社員の現場業務は、中央制御室の運転操作などの業務に限定されています。ほかはすべて委託です。
 左の図のように電力会社を頂点に下請企業が幾重にも層をなす重層構造となっています。
 特に定期点検や事故修理は、高線量の放射能下での作業で常駐人員に加えて約1千人の要員が必要です。このため下請企業が多数の作業員をかき集めて送り込み、元請の監督者の指示で動く「偽装請負」が多発するのです。
 しかも作業者1人あたりの被曝限度があるため長期にわたって働けないことがますます不安定な雇用形態を増やすことになります。
 こうして電力会社や元請企業は、安全管理や労務管理の責任を回避し、中間搾取・ピンハネが日常化することになるのです。

重層構造の外注化がもたらすもの

 重層構造になった外注化の仕組みは、指揮命令系統を複雑にして情報伝達の質と早さを低下させます。当然、すべてにおいて責任が曖昧になります。教育訓練や技術技能の継承・蓄積も困難です。
 下請企業は、利益を確保するためにさらに業務を下請化し、より低賃金の労働者を使おうとします。仕事の確保が最優先となり、環境や条件が悪くてもガマンすることになります。
 こうなると劣悪な労働条件で離職が増加し、常に新人が入ってくるため、経験が浅く、本人も不安な中で仕事をせざるをえなくなります。
 JR東日本が進める外注化も原発の重層構造に限りなく近づいています。その象徴が昨年の京浜東北線川崎駅の脱線転覆事故でした。
 ある支社では、清掃業務もグループ企業ではなく、より低賃金の外部企業に委託するとの話も出ています。
 JR東日本は、すべての業務を直営に戻して全員を直接雇用せよ。ベテランも新人も安心して長く働くことができる職場にせよ。

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