2018年10月15日月曜日

外注化阻止ニュース 第394号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka394.pdf


列車の安全と乗客は二の次に
常磐線 特急1人乗務とワンマン拡大

 JR水戸支社は10月20日から、常磐線の特急「ひたち」「ときわ」の車掌を、これまで2人以上の乗務を1人にしようとしています。さらに同日から水郡線(茨城県水戸市→福島県郡山市)のワンマン運転を拡大しようとしています。

特急の車掌が1人になったら

 特急の車掌は、列車を安全に運転するための確認のほかに、車内の乗客の改札や案内を行わなければなりません。また緊急の場合は、いち早く列車を止めたり、乗客を避難・誘導することも大事な業務です。
 常磐線の特急は10両もあり緊急時に最後部まで戻るのに時間がかかり、これらすべてを1人で行うことは難しく、安全上も大きな問題です。 結果的に乗客に大きな不便となります。
 3年前に常磐線で起きた事故では、踏切を通過中に列車の中間に自動車が突っ込み衝突、最後部にいた車掌が気づいて列車防護を行い、対向列車との衝突を未然に防いだこともあります。

ワンマンでは後方確認できない

 水郡線は大雨や倒木によって運転中止になることが多く、その際には乗客への案内や避難誘導が必要です。
 ワンマン運転は車掌がいない分、運転士への負担も大きく、とりわけ常陸大子~郡山間は長い距離の区間です。水郡線には車掌が必要なのです。
 車掌は列車が駅を出発する際、列車の最後部がホームを過ぎた時点でホームや線路の異常を確認することが定められています。ワンマン運転では、運転士は後方確認できないため、規程に定められた確認ができません。
 また、水郡線では大半の駅がすでに無人化されており、ワンマン運転では運転中に乗客に対応できません。

利用者減→ワンマン化は廃線の道

 会社は、利用者が減って儲からないことを理由に、列車本数削減や減車、ワンマン化を進めています。今年3月からは常陸大子~郡山間のすべての列車が2両以下となり、上菅谷~常陸太田間では1往復が削減されました。
 ワンマン化が利用者に不便を強い、結果さらに利用者が減る…この悪循環こそが廃線への道をつくっているのです。JR東日本は、しっかりとした人員配置を行ない、誰でも安心して利用できる鉄道をめざすべきです。

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