2019年9月20日金曜日

外注化阻止ニュース 第444号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka444.pdf


今こそ外注化と闘おう
台風15号復旧遅れる
外注化・人員削減が復旧の最大の障害

 台風15号で大きな被害を受けた千葉県では、いまだに停電や断水が続いています。
 最大風速57㍍の過去最強レベルの強風により多数の電柱が倒れ、40㍍以上ある送電線の鉄塔も2基倒壊しました。想定外の強風は間違いないですが、なぜこれほど被害が拡大し、復旧に手間取っているのでしょうか。

メンテ費用の削減で長期停電に


 東京電力は、送電や配電設備に1991年には約9千億円を投じていましたが、2015年には約2千億円に減少。原発事故で経営が厳しくなって設備投資を抑えたのです。
 老朽化に加え保守費用の削減が長引く停電の原因なのです。
 また「役所の職員が来るのが遅い」「公務員が足りない」など住民から悲鳴が上がっていますが、地方公務員の職員数は25年で約2割も減少、特に市町村の土木部門の職員の減少割合は特に大きく、技術系職員のいない市町村も多くなっています。
 1970年代前後の高度成長期以降に整備された道路や橋、トンネル、河川、下水道管渠、港湾等のインフラが加速度的に老朽化を迎え、対応を迫られているのです。

安全を守るために職場に労働組合を

 JRの復旧が遅れたのは、外注化と要員削減が原因です。
 保線関係では、線路設備モニタリング装置を導入し、「線路状態を遠隔監視できる」ととして徒歩による線路巡回検査を削減し、保線部門の大幅人員削減を行いました。
 千葉支社の保線部門は01年に「10保線区+18保線管理室」体制から6保線技術センターへと統廃合され、411人の保線要員が181人に削減。同じように電力や信号通信、建設業務でも外注化が強行されてきました。
 どの職場でも業務が増えて超勤も増加し、しかもベテラン労働者の経験や技術の蓄積が破壊 されました。
 現場の労働者は1日も早い復旧に向けて努力しています。最大の障害は、業務外注化であり、人員削減です。会社の合理化施策、労働強化や外注化と闘い、安全を守る。そのために労働組合が必要です。

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