2021年6月4日金曜日

日刊動労千葉 第8957号

JR東日本 「みどりの窓口」7割削減

要員削減、地域切り捨て許すな!
分社化・転籍攻撃を粉砕しよう!

JR東日本は5月11日、2025年までにみどりの窓口を7割削減(首都圏231駅、地方駅209駅の設置駅を各70駅程度に削減)すると発表した。また、「改札業務と一体運用している地方の小さな駅は無人化も検討」としている。

窓口廃止の先に待っているのは駅業務の完全別会社化であり、その先は運転士・車掌を含めた分社化と現業部門すべての切り捨て、現場労働者の権利の破壊と徹底した低賃金化の攻撃だ。

「駅は切符を売る場所でない」

会社は、「すでに自動券売機やチケットレスサービスなど、みどりの窓口以外での販売が拡大している」「これからはチケットレスサービスだ」と打ち出している。

「もう切符は必要ない」というのか? 深澤社長は、「駅は切符を売る場所ではない。ビジネスをどう作るかだ」とまでいう。どこまで駅業務を軽んじるつもりなのか!

窓口を7割廃止するということは、凄まじい要員削減が行われるということだ。それを現場をおとしめる形で強制するなど絶対に許すことはできない!

鉄道業務を軽んじるな!

本来の鉄道業務が〝価値がない〟もののように扱われ、駅に集まる人を相手にどれだけ儲けられるかだけが〝価値創造的〟とされる。そして、徹底した要員削減などを通して分社化・転籍で現場労働者を下請け会社、孫請会社に突き落としていく攻撃だ。

これは駅業務だけにかけられた攻撃ではない。あらゆる鉄道の現業部門が同じ攻撃にさらされている。5月26日に提案された「現業機関における柔軟な働き方の実現について」はまさにその攻撃だ。

現業部門すべての職名を廃止し、「統括センター」なる現業機関の下に駅や運輸区を置いて、「業務を融合」するという。

一部の支社業務、企画業務や店舗業務などまで行わせると書かれている。企業として利益を上げること、「競争上の優位性」だけが重要なこととして、徹底した競争に駆り立てようというものだ。

だが、それで鉄道はどうなってしまうのか? 鉄道会社にとって本来もっとも大切な安全や公共交通としての役割、働く者の生活や権利はまったくないがしろにされる。もたらされるのは安全の崩壊、乗客と地方の切り捨て、職場で働く労働者の権利の破壊だ。

「チケットレス化する」というが、それは障害者やお年寄りが列車に乗ることを今まで以上に困難にして、事実上乗車できなくさせることを意味する。そうやって乗客とともに地方路線を切り捨てていくということにほかならない。

鉄道は公共交通機関だ。それを金儲けの道具にすること自体が根本的に間違っている。医療現場に象徴されるように、コロナ禍でそれが明らかになったはずだ。その鉄道の安全を守り、運行している現場を踏みにじるなど、許すことはできない。

だが、JRはコロナに乗じて「経営危機」を叫び、さらに利益だけを追求しようとしている。こんなことはもうたくさんだ!

今こそ職場に闘う労働組合を

こんな鉄道業務を投げ捨てるような攻撃は必ず破たんする。すでに矛盾はさまざまな形で表れている。

3月ダイ改で内房線、外房線、鹿島線のワンマン運転強行は、ただちに乗客が転倒・骨折する重大な事故を引き起こした。その後も、ドアに首を挟まれるなどの事態が続いている。江見駅でのおばあさんが首を挟まれかけた事故では、駅業務が委託された郵便局員が目の前にいたことで怪我などは防がれた。駅が無人化されていれば、重大な事故につながったということだ。

徹底して地方と安全を切り捨てるJRに対して、地域住民から激しい怒りの声があがっている。必要なのは職場からの闘いだ。この声とともに、職場から要員削減と地域切り捨て、ワンマン運転・駅無人化削減、分社化・転籍攻撃に職場から反対の声をあげよう。今こそ職場に闘う労働組合を! すべての仲間は動労千葉とともに闘おう。