2016年1月9日土曜日

軍隊慰安婦問題に関わる日韓外相会談「合意」を徹底弾劾する

昨年末12月28日、ソウルで行われた日韓外相会談で日本軍軍隊慰安婦問題について日韓間の電撃的「合意」が行われた。

軍隊慰安婦問題に「最終的かつ不可逆的に終止符を打つ」ことを最大の目的とし、韓国政府が慰安婦にされたハルモニたちのための財団を立ち上げ、そこに日本政府が10億円を拠出するというものだ。しかも日本政府はその条件として、ソウルの日本大使館前に置かれている少女像の撤去を要求し、韓国政府側は「関連団体と協議して適切に解決する」として事実上日本側の要求を受け入れることを明らかにした。

軍隊慰安婦問題に関する提起を今後一切やめさせて、少女像まで撤去するとしたこの「合意」を絶対に許すことはできない。

日本帝国主義の戦争犯罪を糾弾し続けてきたハルモニたちの闘いを日本政府の薄っぺらな「おわび」と10億円のはした金で封殺してしまうことは、過去の植民地支配の歴史とハルモ二たちの存在そのものの抹殺だ。こんな卑劣な「合意」で日本帝国主義の戦争犯罪の歴史を消し去ることは絶対にできない。

この「合意」は軍隊慰安婦の問題にとどまらない。朝鮮、中国、インドネシア、フィリピンなどアジア・太平洋全域で行われた日本帝国主義の数々の蛮行に対する闘いを封殺し、すべての戦争犯罪の歴史を無かったものにしようとする攻撃だ。

外相会談が行われた昨年末は、民主労総がパククネ政権の労働改悪絶対阻止を掲げてゼネスト臨戦態勢に入っている時だ。この民主労総の闘いに挑戦するかのように軍隊慰安婦問題をめぐる妥協が白昼堂々と行われたのだ。韓国や日本のマスコミ、野党も含めた日本の政界は一斉に「歓迎」の声をあげている。しかし、韓国の労働者民衆はこの「合意」に直ちに弾劾声明を発して徹底糾弾の闘いを開始している。

今回の「合意」を通して、日韓米政府は「安全保障における協力の推進」を公然と表明した。日本軍慰安婦問題などの日韓の対立点を早急に解消し、日本政府に免罪符を与えることで日韓軍事同盟構築、日韓米による共同作戦体制の完成を加速化させることが目的だ。また安倍政権はこの「合意」を足場に、朝鮮半島への自衛隊出兵を策動するなど、再び東アジアにおける最も凶暴な戦争放火者として登場する動きを強めている。

民主労総は、1月4日、次のような宣言を発し2016年の闘いの火蓋を切った。

“パククネ政府は、侵略同盟の障害物である植民地の過去の歴史を消そうとしているが、歴史から消さなければならないのはパククネ政府の屈辱交渉だ。民主労総は慰安婦ハルモニたちの痛みを忘れず、青年学生及び市民らとともに少女像をそのかたわらで守る。”

私たちは、この宣言を断固として支持し、日本帝国主義総がかりの12・28日韓「合意」の翼賛攻撃を粉砕し、民主労総と共に闘い抜く。

私たちは、国鉄闘争を基軸に、職場生産点から外注化、非正規職化、労働法制改悪絶対反対の闘いを澎はいと巻き起こし、改憲と国家総動員体制の構築を許さず闘い抜く。もって、侵略戦争の歴史的な清算から新たな朝鮮侵略戦争に突き進む安倍政権を必ずや打倒する。

以上宣言する。
2016年1月8日

動労千葉国際連帯委員会