2016年1月28日木曜日

外注化阻止ニュース 第242号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka242.pdf


闘いなくして安全なし
規制緩和と闘おう
事故を防ぐためには職場の闘いが必要

 軽井沢バス事故により安全を犠牲にした労働環境や運行会社の法令違反が世間で大問題となっています。規制緩和による業界の激しい価格競争の弊害や、国土交通省の監督の甘さも指 摘されています。
 2012年の関越道バス事故では7人が死亡しました。この時も「規制緩和」「価格競争」「国土交通省の監督の甘さ」が指摘され、夜間に運転手が1人で乗務できる距離の上限が原則400㌔に短縮され、それを超える場合は2人乗務が義務づけられました。しかし再び多くの犠牲者が出る事態となりました。

分社化・非正規化に協力する組合

 安全運行を脅かす企業の存在を可能としている規制緩和政策を覆さなければ事故は減りません。ところが大手バス会社の労働組合も規制緩和に対抗できていないのが現状です。
 規制緩和で安売り競争が激化し「新規参入してきたバス会社に勝つためは人件費を削減するしかない」という企業の攻撃に対して、ほとんどの労働組合が低賃金の非正規運転手の導入を容認しました。また儲からない路線を分社化してより低賃金の下請会社へ委託することに協力しました。

京成バスも地域・路線でバラバラに

 東京東部から千葉県で営業していた京成バスは90年代半ばから地域ごと路線ごとに分社化され、現在では20社以上に分社化されています。
 こうしてバス運転手の全国平均賃金は瞬く間に下がっていきました。
 多くの労働組合が分社化や外注化、非正規雇用に協力して「労使協調の労働組合」として組織を維持し、その見返りに組合幹部は下請会社の幹部として天下りしたのです。
 事故を防ぎ労働者と利用者の生命を守るために労働組合が闘わなければその存在意義はありません。「規制緩和が原因。政府はもっと規制を」 というのは簡単ですが労働組合が闘わなければ職場の状況は変わりません。


 JR東日本では、東労組が外注化や契約社員の導入に協力してきました。結果、あらゆる鉄道業務がバラバラに外注化され、グループ企業は委託費の削減によって低賃金・非正規雇用が拡大しました。訓練・教育不足による労災事故が多発し、鉄道事故・輸送障害が深刻なレベルに達しています。闘いなくして安全なしです。

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