2019年10月17日木曜日

外注化阻止ニュース 第449号

https://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka449.pdf


米GM55工場でスト続く
二層賃金を拒否し最大規模の闘いに

 9月16日以来、米ゼネラル・モーターズ(GM)の労働者4万9千人のストライキが数週間続いています。
 工場閉鎖と人員削減計画の撤回を求めて始まったストライキですが、08年のリーマンショック以後、米国の民間部門における最大規模のストライキとなっています。
 GMの55工場で生産が停止し、メキシコやカナダの組立工場など世界中のGM工場の生産もストップしています。GMの損害は1000億円を超えるとも言われています。

新規採用は賃金半分の二層構造に

 GMの労働者は、かつて民間部門で最高の労働条件でしたが、リーマンショックの翌年に経営が破綻し、米政府が約5兆円の公的資金で救済した際に、二層構造の賃金体系が導入されました。
 そのやり方は、既存の労働者の賃金には手を付けず、新たに雇用する労働者の賃金を半分にするというものでした。新規採用の労働者の賃金は約15㌦(1600円)になったのです。

工場内は臨時工と下請工が増加

 結果、いまGM工場では、臨時工と協力会社の労働者が正規雇用の半分の賃金で雇用保障も福利厚生もないまま、正社員がしていた仕事をしています。
 もともと臨時工の導入は、正規労働者の欠員や有給休暇を埋める一時的なものだと説明されていました。しかし、今では多くの仕事が臨時工に置き換えられています。工場内の清掃業務などももともとはGMの正規労働者の仕事でしたが、いまでは協力会社に外注化されるようになりました。
 人件費の大幅圧縮の結果、GMは業績が急回復し、毎年1兆円近い利益を出しています。労働者は10年以上も困難な状況のままですが、最高経営責任者の報酬は2200万㌦(23億円)も得ているのです。
 これまで全米自動車労組(UAW)は「二層賃金制はやむを得ない譲歩」と説明してきましたが、現場組合員の怒りは大きく、ついに数週間にわたる全米の自動車工場ストライキになったのです。

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