5月20日、東京高裁・井上繁規裁判長(第15民事部)は、天神峰現闘本部裁判の控訴審判決において、三里塚芝山連合空港反対同盟の控訴を棄却するのみならず、確定判決を待たずに、撤去執行を可能にする仮執行宣言まで付けた。しかも、強制執行停止を申し立てる弁護士といっしょに高裁第15民事部の前に集まった50人に対して、反対同盟員8人を含む全員を「不退去罪」なるでっち上げで不当逮捕した。
これは、三里塚闘争45年の歴史の中でも断じて許されない前代未聞の大弾圧である。われわれは50人全員の即時釈放を要求する。東京高裁と結託した警察権力がこの暴挙を強行した理由は何か。
第1に、天神峰現闘本部死守の闘いが実力闘争として爆発することへの恐怖である。1990年1月の成田治安法処分に対する反対同盟と労農学の闘いの威力に今なお圧倒され、その現闘本部破壊に対する闘いの爆発に恐れおののいているためだ。
第2に、現闘本部反動判決への怒りが国策裁判への弾劾へと発展し、今まさに爆発しつつある被災―福島原発事故への怒りと結びつくことへの恐怖だ。3・11大震災情勢によって日本の支配体制は大きく動揺している。福島の怒りは成田の怒りだ。国策と闘いつづけてきた三里塚45年の実力闘争の波及力におびえているのだ。
第3に、羽田国際線化という形もとった成田空港の地盤沈下―崩落という現実に追いつめられた、三里塚闘争への憎しみの噴出である。徹底弾劾あるのみだ。
そもそも、井上裁判長の判決には一片の正義も道理もない。天神峰現闘本部は反対同盟自身が1966年に建てた闘いのシンボルだ。厳然として反対同盟のものであり、底地には地上権、賃借権を保有している。井上裁判長は一審千葉地裁仲戸川裁判長と共に、何の根拠もなくこれを否定し去った。しかも、一度壊したら復元できない建物に対する「仮執行」を裁判史上初めて認めたのだ。
その上で、執行の停止の申し入れを行うために面会を要求した弁護団に対して、井上裁判長は会おうともしなかった。反対同盟・北原鉱治事務局長を先頭とする50人の労農学が、「申し入れ書」を受理せよと第15民事部に迫ったことは100パーセント正当な行動だ。
判決と仮執行宣言のあまりの反動性におびえた井上裁判長およびこれと結託した警視庁公安部は、あせりにかられた大量逮捕攻撃を強行した。われわれはこの弾圧に負けない。三里塚45年の歴史こそが、不当弾圧を糧にますます決意を打ち固める過程そのものだった。
5月29日の現地緊急闘争を皮切りに、われわれは断固として天神峰現闘本部を、体を張って守り抜く死守決戦に突入する。この闘いの爆発の中でこそ、東北、茨城の被災地農民。漁民・労働者・学生・市民との歴史的結合を果たすであろう。反原発闘争への決起という形で始まった数万、数十万の青年労働者学生との歴史的な合流を果たすであろう。
5月21日 三里塚芝山連合空港反対同盟
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