2015年9月16日水曜日

動労水戸情報596号

http://file.doromito.blog.shinobi.jp/2a035b66.pdf


安全破壊の外注化絶対反対!
全ての業務と労働者をJRに戻せ!

続発する重大事故を甘く見るJR・MTSと闘わない労働組合

 JR水戸支社は3年前にMTSに強制出向させた社員に対し、一部を除いてさらに3年出向を延長する事前通知を9月10日から発令しています。
 一方、職場では重大事故が多発しています。指揮命令系統をバラバラにし、業務を理解していない現場管理者が作業を指示している限り、さらなる大事故は避けられません。
 JRもMTSも、外注化に賛成してきた組合も、命と安全に関わる鉄道業務の厳しさを目先の利益のために投げ捨てています。命と安全、生活を守り抜くためには、腹を据えて闘う労働組合が必要なのです。

土浦の構内運転事件は外注化こそが根本原因

 7月31日、MTS土浦事業所で車両スタッフが構内入換を行うという考えられない重大事件が起こりました。夜勤の運転スタッフがいたのに、管理者が臨時の入換作業を指示しなかったことが原因です。過去に運転経験があるとはいえ、車両スタッフに入換作業を行わせるなど言語道断です。たとえ免許を所有していても、見習いを経て毎月の定訓を実施していなければ運転してはならないのです。こんな常識を知らないとすれば管理者として失格ですし、それを承知しながら運転させたとしたら一層重大な問題です。

 8月28日のMTSとの団交では、会社は「管理者が作業者に具体的な指示を行わなかったことが原因」と釈明しています。
しかし「なぜ管理者が運転スタッフに声をかけなかったのかは不明」「当直への聞き取りでは『まさか運転するとは思わなかった』と言っている」「個人対個人の問題については責められない」などと責任逃れに終始しました。
 今回の事件は管理者が的確な指示を出していれば起きなかったはずです。「作業責任者は実作業は行わない」とされているのに、過去に動労水戸のストの際に自ら仕業検査を行おうとしたのもこの管理者でした。

外注化の全てが大破産

 今年2月の勝田車両センターでの脱線事故の後も、MTSは団交で「口頭発注は世間一般的に認められている」「事故になったから発注書はない」と発言しました。定訓の課題にすらしていません。JRは脱線事故の後で安全作業要領から「共同作業」という文言を削除してしまいました。
このように、重大事故が起こっても何も学ばず、3年経っても会社と管理者の責任意識は低下し続けています。

 このようなMTSとその管理者の下で、勝田ではプロパー社員の育成を極めて短い期間で次々と一本にしています。経験の蓄積など何もありません。
逆に水戸・大子・土浦では養成が間に合わず、出向者なしでは業務が回らない事態に陥っています。動労水戸は3年間ずっと団交の場で「こんな計画がうまくいくはずがない」と指摘してきましたが、JRもMTSも何の根拠もなく「うまくいくと考えている」の一点張りです。こんな無責任な体制のために労働者・乗客の命と安全が脅かされることは断じて許せません。

出向解除で仕事奪うな!

 このようなデタラメな施策を会社と共に進めている組合の責任も重大です。外注化で業務そのものが委託されているため、出向が解消されれば現在の仕事から外されて余剰人員にされてしまいます。それを逆手にとり、「今の仕事を続けたいなら出向の延長しかない」「定年まで出向でいれば、そのままエルダーで同じ仕事に就ける」と競争をあおり、外注化に賛成させるという構造です。会社とうまくやろうとする組合幹部が、労働者の不安や怒りを抑えているのです。出向を解消しJR本体に戻ればそれでいいのでしょうか?外注化は労働者の誇りを奪い、団結を破壊し、労働組合を骨抜きにすることを通して会社幹部の利益だけを追求するためにあります。

「絶対反対」で闘い抜く動労総連合・動労水戸に今こそ結集しよう!

 この攻撃に対し「絶対反対」以外の回答があるでしょうか?會澤組合員が人生をかけて動労水戸に結集した直後、東労組は掲示板に「絶対反対ばかり言ってストライキしているだけでなく、対案を示すべきだ」と私たちを批判する掲示を出しました。百害あって一利なしの施策や提案に対して絶対反対で闘うことに何の問題があるのか?労働組合の対案とは、労働者に外注化を承認させる論理でしかありません。
 私たち動労水戸の「外注化粉砕・非正規職撤廃・被曝労働絶対反対」の闘いは、地域の人々や原発・除染労働者から圧倒的に支持されています。鉄道の安全の根本問題を労働組合の課題として闘うことは社会的責任をかけた闘いです。動労総連合の旗が神奈川・新潟・福島に次々と立ち、JR本体はもとより関連会社の労働者が結集しています。私たちと共に、労働組合運動の新しい時代を切り開きましょう!

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