2016年3月14日月曜日

闘いなくして安全なし No.064

https://drive.google.com/file/d/0B6_MNKzi3eCFeTRhNVlET0pJYnM/view?usp=sharing


山手線INTEROS運転再開
「技術伝承課題でIT導入」こそ事故の原因

 JR東日本は3月7日、山手線に新システム「INTEROS」を搭載した車両の運行を3カ月ぶりに再開しました。
 この新型車両は昨年11月30日に営業運転を開始したものの、運転初日にトラブルが続出したため運行中止になったものです。

機械にベテランの経験を教育?

 新型車両は、車両の位置や速度などの情報をもとにブレーキやアクセルなどを自動的に制御する「INTEROS(インテロス)」 という新システムを搭載しています。
 車両に取り付けたセンサーで、走りながらレールや電柱の不具合を見つける機能もついています。
 これはJR東日本の掲げる「スマートメンテナンス構想」の一環です。そこではIT技術の導入して「ベテランの知識や経験、様々な条件から事故原因を推定する方法をコンピューターに学習させる」と語られています。

安全を守っているのは労働者

 これについて、「ベテラン社員が退職し、技術伝承が課題となる中で、ITを積極的に導入することで対応しようとしている。新型車両もこの一環」(日経新聞3月4日)と報じられています。
 ベテラン社員の退職や、技術継承が問題になっているなら、JR内での教育や訓練を今より一層強化することが必要なはずです。しかし、JRが進める業務の外注化は、仕事も責任の所在もバラバラにしてしまいます。また、外注先の企業がJR以上の教育や訓練を行えるはずもありません。JRはすべての外注化を今すぐ撤回すべきなのです。
 その矛盾を、高度な機械の導入で乗り切ろうというのは、根本的に間違っています。
 どんな高度な機械も、それを扱う労働者の知識や技術によって成り立っています。昨年11月の「INTEROS」トラブル時も、ブレーキが弱まった列車を運転士が手動でブレーキをかけることで停車させたのです。「労働者はシステムに従えばいい」という姿勢こそ安全を破壊し、事故を引き起こします。

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