2015年5月8日金曜日

外注化阻止ニュース 第186号

http://www.doro-chiba.org/ga/gaityuuka186.pdf


山手線 支柱倒壊
外注化が情報伝達を破壊
指摘しても取り合わないのは誰なのか!?

 山手線支柱倒壊についてJR東日本の冨田社長の名前で出された「グループ会社の皆さんへ」と題する文書は「お客様の死傷がなかったことは、安全の神様が見ていてくださっているのかも」という前代未聞の無責任な内容です。
 ところで、冨田社長は倒壊の原因について「現在調査中ですが、安全にかかわるリスクのとらえ方とそれに基づく状況判断、関係者間での情報伝達などの仕事のしくみ、緊急時に危険を回避する具体的行動といった点において、あらためて見直す必要がある」と言っています。

倒壊を防ぐ機会は何度もあった

 報道にもあるように倒壊を未然に防ぐ機会は何度もありました。
 倒壊2日前、現場付近を歩いていた工事担当者が気付きました。上司に報告しましたが「3日後の月曜日に対策をとればよい」と判断され、情報はそれ以上伝わりませんでした。
 前日夜も山手線の運転士が報告しました。この時は総合指令室まで報告が行きましたが始発前に点検は行われませんでした。倒壊当日、担当者が始発電車に乗り込み「傾きが大きい」と感じながら現場を離れ、直後に倒壊しました。

なぜ情報伝達が破壊されたのか?

 冨田社長の指摘の通り情報伝達や状況判断に問題がありました。しかし問題は、何がこうした状況を生み出したのかです。人件費削減で黒字が1千億円も増えるほどの重層的な外注化によって情報伝達や状況判断が破壊されたのではないのか。
 冨田社長は、利益優先・安全無視の経営姿勢と外注化を棚に上げ、グループ企業に対して「基本動作を丁寧かつ誠実に実施」「与えられた職責を果たせ」などと説教するのは本末転倒です。
 「危険や問題点を指摘しても取り合わないのはどっちなの?」――こうした現場の意見に真摯に耳を傾け、直ちに外注化を中止すべきです。

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