2015年5月30日土曜日

国際連帯ニュース 第27号

http://www.doro-chiba.org/pdf/kokusairentaiNO.27.pdf


沖縄人民4万の大集会
米日のアジア最大の軍事拠点揺るがす

 4万人の労働者人民が集まったのは、単に基地を減らせと訴えるためではない。名護市・辺野古地区につくられる新しい米軍基地に絶対反対の意思を示すためである。
 1996年にクリントン政権は、沖縄島中部の人口密集地帯にある普天間基地の撤去・日本への返還を約束したが、それは新たな米軍基地の提供を条件とするものだった。その移転先として選定されたのが名護市の辺野古地区であった。
 しかし、沖縄人民は住民投票や実力闘争などあらゆる手段で反対してきた。日米両政府は、東アジア米軍再編のために必要だとしてこの新基地建設を強行しようとしたが、2000年代冒頭いったんは破綻的状態に陥った。日本政府は、普天間基地の危険性除去のための新基地建設だから、沖縄の負担軽減になるという論法で一部海兵隊施設や部隊のグアムへの移転と抱き合わせのプランを作成し、巻き返しに出てきた。

同盟強化の共同宣言に反撃

 安倍は、4月末の訪米で戦後70年目の「日米和解」を演出しつつ、「新たな日米同盟」をうたいあげた。その一環として沖縄の辺野古新基地建設は普天間基地返還のための唯一の方策であると再確認した。
 これまでも辺野古新基地建設を暴力的に強行しようとしてきた安倍は、国際的約束として再確認して、沖縄の民意がどうであれ強行するという態度をとっている。この開き直りに対して、5・17の4万人の大集会が叩きつけられたのだ。
 政府は警察だけでなく、海上保安庁や自衛隊まで出して闘争を抑え込もうとしている。米軍も基地ゲートでの抗議闘争に対して排除や逮捕などの弾圧に出ている。これらは人民の怒りをますます高めている。沖縄における新米軍基地建設反対の闘争は、現在の安倍政権の「戦争する国家への転換」「血を流す日米同盟」、「戦争放棄の日本の憲法9条の改定」という攻撃に対する日本人民の反撃の最先端に位置している。この闘争は、いまゼネストでパク・クネ政権打倒に立ち上がっている韓国の労働者階級の闘争と連帯し、沖縄労働者人民の全島ゼネストに発展しつつある。また、それを先頭に日本全土で、安倍政権の戦争政治と新自由主義攻撃に対し、ゼネストで闘おうという労働者の決起が始まっている。

ゼネスト切り開いた基地労働者の歴史 

 沖縄の闘いの歴史において基地労働者の闘いは重要な位置を占めている。今現在、沖縄の米軍基地に雇用されている労働者は1万人を下回ったが、1960年代末、ベトナム戦争の最盛期には5万人だった。沖縄の基地労働者は軍事基地と戦争に反対し、首切りや賃下げに反対して60年代から強力な労働組合を結成して闘ってきた。
 全軍労とくに牧港支部青年部(牧青)は60-70年代、基地をマヒさせるストライキや基地内集会・デモで名をとどろかせ、沖縄全島ゼネストの中軸になったが、今も沖縄における労働者の闘いの中心だ。(今は、全日本駐留軍労働組合沖縄地方本部)。
 その基地労働者や教育労働者、自治体労働者と並んで重要なのは非正規の青年労働者の存在である。

青年労働者、新自由主義攻撃に反撃 

 沖縄は1972年以後も「基地の島」状態が継続されたことによって、80年代以後の新自由主義的攻撃の最先端として不安定雇用・低賃金・使い捨て労働・労働組合的団結破壊の攻撃にさらされてきた。沖縄では、全国平均をはるかに上回る44%が非正規労働者である。最近では、ハイテク情報産業と結びついた外注化の広がりによってこの傾向がますます強まっている。「基地の島」沖縄は、同時に「非正規労働の島」でもある。この現実が青年労働者の怒りを高めている。

IJBS労組結成

 日本IBM・ビジネスサービスは99%が非正規職というあくどい会社である。ここで使い捨て自由の解雇攻撃に対して青年労働者が反撃の狼煙を上げ、労働組合を結成して立ち上がった。このことが、沖縄の既成労働組合をも突き動かし、沖縄における労働運動全体にあらたなエネルギーを与えている。日本の労働運動ナショナルセンター「連合」の支配下、沖縄でも自治労など主要な労働組合は体制内的に封じ込められているが、今、基地闘争の新たな発展と安倍政権の戦争政治に対する対決とが結びついて、ベトナム戦争下の沖縄の基地労働者の荒々しい闘いの記憶がよみがえってきている。

韓国民主労総ゼネストに連帯 

 新自由主義攻撃に対する怒りと朴クネ政権との政治的対決を一体的に結合した韓国のゼネストにもインパクトを受けて、闘いはこれから確実に戦闘的に発展していくであろう。
 80年代以来、新自由主義との闘いの先頭に立ってきた動労千葉を先頭に国鉄JR労働者が新たな反撃に立ち上がり、労働者階級が全体としてストライキの力を取り戻す闘いが始まっている。6・7全国労働者総決起集会に結集し、ともに新たな時代を切り開こう。

6・7全国労働者総決起集会
国鉄1047名解雇撤回へ
国鉄全国運動の本格的発展を
動労総連合を全国につくろう!

6月7日(日)12時30分開始(11時30分開場)
東京・日比谷公会堂
(呼びかけ)国鉄闘争全国運動

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