2015年4月10日金曜日

外注化阻止ニュース 第176号

http://www.geocities.jp/siensurukai_santama/index.html#%E5%A4%96%E6%B3%A8%E5%8C%96%E9%98%BB%E6%AD%A2%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9


労働時間把握は会社の責任
管理者が現認し記録することが基本

 JR千葉鉄道サービス(CTS)は、幕張事業所における休憩時間中の無給労働の問題について、千葉労働基準監督署から行政指導を受けました。
 そのため4月から休憩時間の変更や残業について残業をしていない労働者についても事後申告の書類を現場の労働者に記載させるようになりました。
 企業(使用者)には、労働者の健康確保に加えて、労働基準法上の割増賃金を含めた賃金を全額支払うために労働時間を適正に把握し適切に管理する責務があります。

管理者が現認し記録する

 この場合、管理者が休憩時間の変更を指示した上で、実際の業務について管理者が直接に現認し記録することが基本です。
 そして会社による労働時間の把握が間違っていないかどうかを実際に働いた労働者が点検する――これが通常の労働時間管理のあり方です。
 会社は今回の措置について労基署の指導を理由にしていますが、そもそもCTSが労働時間の把握をきちんと行わず、未払い賃金の支払いを拒否していることが発端です。責任逃れのために労働者に押しつけるのは本末転倒です。
 今回のCTSの対応は、過去の未払い賃金についても会社の責任で精算することを回避し、そして今後の労働時間の把握についてもあくまで労働者に責任転嫁する態度です。

過去の過ちを正当化する姿勢

 自己申告制は、時間外労働や休憩時間の変更について過小申告する傾向が生ずることが一般的にも指摘されています。
 現にCTSはそう誘導している傾向がみえます。過去の過ちを正当化するためにこうした措置を取ることは二重の意味で犯罪的です。
 何か問題が起きても「きちんと申告(記録)しなかった本人が悪い」「申告がないかぎり賃金は払う必要はない」と言わんばかりの対応は問題があります。
 CTSは、現場労働者の声、労基署の指導や動労千葉の指摘などに真摯に向き合うならば、会社の責任において管理者の手によって労働時間の把握を行う必要があります。
 労働者に責任転嫁せず未払い賃金を直ちに支払うべきです。

ニュースへのリンク